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(1)「積極的に参加する」は男女とも2割程度でる。(3)「参加しない」の割合は女性の方がかなり多くなっている。家事等の負担が関係していると思われる。教員が地域指導者の核として活躍するのが理想ではあるが、校務の多忙化が進み日々の部活動指導も十分できていない現状では難しいといわざるを得ない。部活動と社会体育の両方を教員が担当するのには無理がある。

 

3. まとめ

前回の調査結果(平成6年)から、週5日制の主旨をふまえた部活動のあり方としての4点を提案している。その観点から今回の調査を検討してみたい。

(1) 各学校は、月〜金までの指導を再考し充実させるとともに、生涯スポーツの足がかりとする。休業日の増加に伴う平日の負担増加のため、残念ながら平日の部活動指導の時間は減少する傾向を示している。その中でもある学校では、週1日は部活指導の日を設け、放課後の行事をなくし、全職員で部活を指導しようという試みが行われている。また練習日誌等を通して生徒一人ひとりを理解し、指導時間の減少をカバーするというような工夫も見られる。

(2) 各学校は休業日に施設設備を解放し、地域の特色を生かしたスポーツ活動を実施し、教員は地域の指導者として指導に当たる。各学校とも施設開放の体制は整っているものの、地域スポーツ活動が組織化されていない場合が多く、施設開放制度が十分に機能していないのが現状である。また、教員側も地域指導者として活躍する時間を生み出せないでおり、社会体育の基盤は整備されているとは言えない。

(3) 各競技団体との連携を密にし、各競技ごとの講習会、練習会などを通して、競技力の向上に努める。休業日を利用して協会主催の試合や練習会に参加する割合はかなり増加しているようである。陸上競技では、部活顧問が中心となり協会等に働きかけ、規模の大きな講習会や練習会の運営を軌道に乗せている。また、同競技では県教委(県スポーツセンター)主催の小学生対象の陸上教室も実施されており、同様の企画が中学生対象にも行われるようになれば、関係生徒の二一ズに応え、意欲の向上にもつながると期待されている。

(4) 指導者不足の解消と専門的指導看の充実をめざし、外部指導者の導入を積極的に図る。以前より外部指導者との協力体制を作っている地域もあるが、平日の4時から6時という時間帯に定期的に指導をお願いできる人材は少なく、外部指導者の導入はうまく進んでいないのが現状である。

 

4. おわりに

週5日制への過渡期である現在、教員は様々な問題を抱えながら部活動の指導にあたっている。今回のアンケートでも社会体育への移行を望む声は大きかったが、地域スポーツ組織が未発達な本県の現状を考えると様々な問題が残る。そのような中で、部活動の教育的機能の重要性を再認識し、多忙化の中での指導法の工夫、部活動を活性化できる学校体制の確立等、地道な努力を積み重ねながら新しい部活動のあるべき姿を模索していくことが、生徒や保護者の二一ズに答える一番の近道ではなかろうか。

 

 

 

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